菌の分類から見ると「ラン菌」という名前の菌はない。
蘭界でのみ使われている言葉である。
胚乳を具備しないラン種子の発芽に関り、種子を発芽に導く・・・共生関係を持つ菌類を、
ラン菌と呼んで来た。
人間でいえば・・・将軍家の乳母・・・みたいなもの。
ランの親は生みっぱなしの非常に無責任な母親である。

胚乳を持たない微細な種子が舞い落ちる場所は、微生物が主役の林床などである。
ほとんどの種子は微生物の餌食になる。
ランの種子からみればほとんどの微生物が敵である。
しかし、自然の深遠な進化は、非常に希ではあるが、
菌の中に奇特にも乳母になってくれる菌がある。
ランは、最初から全ての種子が発芽することなど想定していない。
100000、300000に一個の種子が、奇特な乳母になってくれる菌と出会ってくれればよい。
そういう確率の中で生き延びる道を選んだ。

プラントハンターの作製したラン自生地は、地図に記入されるが、
そのエリア全体に自生しているのではない。
そのエリアの極く限られた場所がランの生息地である。
ラン菌の多くは、山全体に生息している場合が少なく、山の一部分に生息しているからである。
更に、その場所はラン菌が純粋に生息しているわけではなく、
他の多くの菌とともに生息している。
このように考えると、ランの種子が発芽出来るのが不思議、奇跡とも思えるが、
ラン菌と運命的な出会いのドラマは、ランの脚本に想定されている。
そうでなければ、過酷な自然の中で子孫を継続できないはずである。

運命的な出会いは、どのようにして行われているのだろうか
ランの種子がラン菌の菌糸を呼び寄せるのか????
ラン菌の菌糸がランの種子を探し出すのか????
偶然に遭遇するのではない・・・と考えるのが自然ではないか!
恐らく多分・・・ランの種子が・・・特殊な成分を出して・・・菌糸が種子に到達するようにしているのではないか?
共生するに至る種子と菌糸の出会いの場面が謎に包まれている。
無菌培養のように浸透圧では説明できない部分である。
ここのところが、現在解明させていない。
ランの謎であり、ロマンである。
無菌培養の理論で・・・・ランの発芽の全てが説明できない所に、
ランのランたるところがあるのかもしれない。
人間の女性も・・・・幾多の小説が書かれたが・・・・未だに解明されていない!


ナドソンの無菌培養法も・・・・無菌の空間でのみ可能な技術である。
ところが、ランの自生地には無菌の空間などない。


ラン菌はどんな菌なのか
ランの自生地の共通点は、枯れ葉、植物死骸があるとことである。
枯れ葉は光合成で作られたリグニン、セルロースが主成分である。
枯れ葉にはほとんど窒素は含んでいない!
この枯れ葉をエサにして生きる微生物に材木腐朽菌がある。
枯れ落ち葉は地表に舞い落ちて地面を覆う。
充分な酸素がある場所である。
こういう場所に生息する菌を好気性菌と呼ぶ。
ランの微細な種子は空中に舞いながら地表に舞い落ちる。
この舞い落ちた場所は、好気性菌である材木腐朽菌が主役のエリア。
この材木腐朽菌は枯れ葉、材木などを徐々に分解し朽ちらす菌である。
高分子炭水化合物のリグニン、セルロースを酵素で徐々に分解し、
低分子の糖、糖質を作る。
ランはこの糖、糖質を胚乳の代わりにした。
実に狡猾な他人のフンドシ利用である。
種子を胞子のように微細にし遠くまで飛散させることが可能になった。
こういうことから、ラン菌というのは地表の枯れ葉、植物死骸に生息する・・・
好気性菌の材木腐朽菌をパートナーにした。

山の枯れ落ち葉の場所には腐敗臭がないのは、
この場所が好気性菌の材木腐朽菌の生息する場所だからである。
もしも、ここが嫌気性菌が主役の場所なら・・・・・
山全体が腐敗臭が、醗酵臭に充ちることになる。
森林浴など・・・出来ないことになる。

枯れ葉と腐葉土は全く異なる。
枯れ葉に生息する菌は好気性菌の材木腐朽菌。
腐葉土に生息する菌は嫌気性菌の醗酵、腐敗菌である。
つまり枯れ葉に牛糞、鶏糞のような窒素を添加すると、嫌気性菌が繁殖し、
「腐葉土」が出来る。
EM菌も嫌気性菌だから、短時間に家庭ゴミを腐敗させる!
カタクリの自生地、シュンランの自生地・・・・腐敗臭はない!
ランも、カタクリも、ほとんどの植物は嫌気性菌とは共生しない。
嫌気性菌が作る窒素は利用するが・・・・・

これまで、この材木腐朽菌が枯れ葉、植物死骸から作る糖、糖質が、
農業でも、園芸でも重要視されなかった!
百合科植物に砂糖水を与えると・・・・球根が肥る・・・程度の研究である。
土壌に砂糖水を与えると・・・土壌中の嫌気性菌の酵母などで、
短時間に醗酵してアルコールになる!
ゆえに、砂糖の肥料はない!

植物の根が吸収出来るのは、材木腐朽菌が作るリグニン、セルロースを原料とした
低分子の糖、糖質である。
こういうことで、ランは嫌気性菌と共生しなかった。
EM菌と共生しなかった!

有機農業では、この好気性菌の材木腐朽菌と嫌気性菌の違い言及していない。
有機農業で使う菌は、全て嫌気性菌である。
窒素を含む有機物を腐敗させたものを土壌にミックス・・・。
ナンプ病菌が大繁殖する土壌になる。
有機農法が無農薬栽培ではない。
有機農法というのは有機物由来の硝酸態窒素を土壌に与えることだからである。
ナンプ菌などの菌からみれば・・・・
無機の化学肥料の硝酸態窒素と変わりはないからである!

堆肥、厩肥を多量に入れてバラを作れば・・・病気が多発する!
地表が硝酸態窒素を好む病害菌が主役のエリアになるからである。

山では誰も消毒などしない。
植物は健康である。
さわやかな風が吹き渡る・・・・・。

ラン菌とはどんな菌か
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